2017年4月23日日曜日

HoI4初ドイツで世界をファシストまみれにした その3

前回
地味ながらちょっと面白いイベント。特にゲームプレイに影響はない
前回はソ連を撃破しユーラシア大陸を概ね制覇した所までプレイ。
 プレイを終えてからだいぶ時間が経ってしまったので大分記憶が薄れつつありますが、とにかく終わりまでは書かねばという使命感のもと巻き気味で行きます。

 さて、対ソ連戦が終了してからしばらく経った頃、日本は真珠湾攻撃を実施して太平洋で戦い始めていましたが、序盤でフィリピンが陥落して以降は散発的な海戦が続くのみ。ハワイが落ちたり、逆に日本の領地が侵略されたりというような大きな動きは起きないまま太平洋で平和に戦争を続けている様子。
 

 この時点での太平洋戦争はあくまで日米の戦争という扱いになって他の枢軸国は絡まない形になっていたため、ヨーロッパに戦火は及ばず。ドイツとしては海軍を増強したり中小国を潰したりなど平穏な生活を堪能しつつ1944年になりました。

 この時点でドイツ海軍は空母3隻に重巡4隻程度、軽巡と駆逐艦は合計30隻程度と、まぁ最低限海戦が出来そうなラインには到達しました。本当はもう少し増強したいところではありますが、アメリカの工業力が相手となると、むしろ下手に時間をかけるほど余計に不利になる可能性があるため、とりあえずはここで開戦可能なラインに到達したと判断します。
 最悪数戦やりあって壊滅したとしても、陸軍が上陸するための時間を稼いでさえくれればどうにかなるか、程度な感覚で開戦準備を開始。

 今回は連合国を一度降伏させているため、カナダ東端には英国領が残っています。現実的には英国が降伏したらあの辺は流石にカナダかアメリカが分捕りそうだけどどうなんですかね。(HoI2のイベント追加系MODのどれかにはそんなようなイベントがあったようにも思う)
 ともあれ、これなら大西洋をはるばる渡って上陸戦を戦う面倒はなく少し楽になったかと思いましたが、問題は該当地域のインフラと港の貧弱さ。大規模な軍団を投入すれば補給の問題で行軍が止まるのは確実ですし、そこが英国領である以上こちらからインフラや港を改善することは出来ません。

 このため、作戦計画としては、
 アメリカ本土英国領に部隊を送り込んで前線を固める
 →英国領に敵を引きつけた所で、カナダ領かアメリカ領に強襲上陸(イギリス領から陸路で攻め込んだ場合制圧した地域はイギリス領扱いになるが、上陸の場合はドイツ領扱いになる)
 →確保した地域にインフラ工事と港の増設を全速力で実行
 →同地点に次々後続を送り込み、進出点とする
 という流れに決定。そこからは流れと勢いでどうにかしましょう。

今やニュージーランドが連合盟主
ともあれ44年11月に開戦。
 最序盤の海戦でいきなりこちらの主力艦隊がアメリカの空母5隻に遭遇、グラーフ・ツェッペリンが沈められかけるなどトラブルはありましたが、制海権に関してはファシストイギリス海軍とヴィシー・フランス海軍が艦隊を派遣してくれたことによって程なく確保。元海軍国のAI的な何かが働いているのか、ドイツの傀儡国になった後もしっかり海軍力を増強していたようです。

 制海権を確保したことで強襲上陸の実行は可能になりました。補給の問題を避けるため、アメリカに送り込む戦力は小出しにしつつ、カナダ南東部に繰り返し強襲上陸を実施。上陸後に押し返されたりとかなり手間取りましたがどうにか土地を確保し、インフラと港湾工事の実施にも成功。

カナダのノバスコシア州へ上陸、アメリカ本土へ食い込む枢軸軍
しかしアメリカ本土の抵抗は苛烈そのもの。45年の8月と、開戦から9ヶ月が経とうという段階であるにも関わらず、枢軸国側はカナダのつま先程度の範囲を確保したにとどまります。
 アメリカはゲーム中でこれまで一つも戦争に関わっておらず、太平洋戦線でもあまり陸軍を積極的に展開してはいなかったため、生産した兵力は殆ど全て本国へ抱え込んでいた様子。技術力・工業力共に世界トップという実力を十全に発揮し、こちらの師団の装備と比べても見劣りしないほど近代化された兵力を、こちらと同等以上の数展開しています。
 
 さらに恐るべきことにアメリカは核兵器の開発も完了しており、これは枢軸国にとって最大の脅威――となるはずでしたが、幸いにも(?)AIの都合か何なのか、アメリカは核爆弾を片っ端からひたすらニューファンドランド島へ投入してきます。既にこちらの補給拠点はカナダ東部に確保できているため、今更ニューファンドランド島がニューウェイストランド島になった所で困ることはありません。

 おそらくですが、AIは自国や同盟国の領土であった場所には核を投下しないようになっている様子(ちゃんと確認したわけではない)。その条件の中でアメリカ本土から届く範囲にあり、兵力やインフラなどが整っているなど攻撃対象として適切だったのがニューファンドランド島だったという事かと思われます(ソ連OMGに対処するために核で吹き飛ばされる西ドイツはHoI4では再現されないということか)

恐ろしい兵力。正面からはとてもじゃないが抜けない

 定期的に後方へと飛んでくる核兵器を眺めつつ、少しづつでも兵力を前へ進めていきます。少なくとも制海権と制空権は完全に枢軸側が確保しているため、陸軍は常に航空支援の元で有利に戦うことが出来ていますし、ボストンなど東海岸の後方へ強襲上陸を仕掛けて敵兵力を分散させるなど、細かな工夫でどうにか兵力の劣勢をごまかしながら戦います。
 この時特に有効だったのが、兵力を分散しての東海岸各所に対する同時強襲上陸。AIイタリアや日本なども勝手に南東部への強襲上陸を仕掛けてくれたため、米軍の兵力が広範囲に分散し始め、カナダ正面もどうにか突破が図れるような状態にまでなりました。

 しかしこの戦略は小分けにした小規模な上陸部隊が集中攻撃を受けて消滅させられるリスクがあるため、上陸に合わせて各戦線で同時に攻勢を行うことで、各個撃破を受けないような対応を取らせないような工夫が必要なように思います。少なくとも今回はうまく回りましたが、この辺りで冷静に上陸部隊を順に制圧されていれば対米勝利は不可能だったかも分かりません。

上陸部隊がニューヨーク確保。程なくカナダからの主力も到着してニューヨークの確保を確定する
とにかく血を吐くような戦いが長く続いていますが、各所の上陸部隊への対処のために敵が分散し始めたことで、自動車化・戦車部隊が数プロビ一気に前進できる場面も見られるようになりました。
 強襲上陸で確保したエリアに戦車部隊を輸送、機動力を生かして小規模でも包囲殲滅や追い越し殲滅を行っていくことで、敵の母数を着実に減らす戦略を狙います。

包囲側が明らかに薄すぎるガバガバ包囲網。なんとか潰せたがかなり際どかった
そうこうしている間にそれなりの規模の包囲殲滅にも成功。フロリダあたりに上陸したイタリア軍が30個ぐらいを引きつけてくれていたり、ハワイを日本軍が確保したりと同盟国軍の活躍も目立ち、着実に戦局は好転してきました。

厳冬のカナダの森へと消えていく米軍140個師団。と言うか戦車19個に自動車化45個ってお前……

 そして今回の戦争の趨勢を決定したのが、この米軍主力部隊のカナダへの押し出し。理想は包囲殲滅ではありましたが、これもまた次善の策というか、決して悪くない形であります。ただでさえ低インフラ地域では補給を支えきれないような大部隊に12月の冬季ペナルティが容赦なく襲いかかり、ドイツ軍が攻撃を仕掛けるまでもなく米軍の戦力が削れていきます。史実のドイツ軍がロシアで味わった地獄を米軍がカナダで味わうことになるとは、これぞまさにHoIの醍醐味といった感じの光景でありますね。

アメリカ本土へ攻め込む日本軍、スウェーデン軍、トルコ軍。
フロリダを取ったのはイタリア軍だったはずなのにどこかへ消えてしまった
そのまま紆余曲折を経て東海岸はほぼ全土を確保。奪い取った工業力が溢れる中、中央アメリカへと軍を進めていきます。こうなってからも米軍の戦力は全く消化試合とは言えないレベルで、山岳や川など、防衛側有利な地形が現れる度に進軍が停止します。

終戦少し前の前線。イタリア軍はワシントンあたりに戦力を上げて前線に向わせてる所?
イタリアは南アフリカと国境を接していたので、AIがうまく動いていなかったのかもしれない

高い城マン!
それでも同盟国の援護の元、アメリカ本土は半分程度まで征服が完了、程なくしてアメリカは降伏し、枢軸国の勝利が実質的に確定します。
 この後は生き残りの連合国として厄介なカナダを潰したり南米諸国を潰したりしていましたが、苦戦したのはやたら大量の兵力を抱え込んでいて上陸戦に苦戦したニュージーランド、ピレネーに膨大な戦力をスタックしていたスペイン(同盟に加入してくれなかったので轢き潰したけど、今思えばファシストだから殺す必要無かったのかも)、密林でマトモに進軍できないブラジルなど南米諸国程度。

恐ろしく強固な海上要塞と化していたニュージーランド。Plague.incでの同国を思い出す難攻不落っぷり

 
工業力も資源も皆無らしく、独立から何年も経ってるはずなのに兵力ゼロ。良心の呵責を覚える

 その他気になった国としてはボツワナ。以前「やる夫ボツワナ」という傑作を読んで思い入れがあったので、最初の連合国に対する講話の際に独立させたものの、自分の同盟の一員として独立させるオプションだと思って選択したものが実は中立国として独立するものだったというのに気づき、一回自分が独立させた国を自分から侵略するというサイコパスムーブをやるハメになりました。国への思い入れどころかやってることが国辱なんだよなぁ……

 程なくして最後に残っていたスイスも陥落、世界の全ての国家はドイツ率いる枢軸国となりました。これにてめでたく全世界ファシスト実績解除、本プレイも終わりを迎え……と行くはずでしたが、ここで問題が一つ。

改革支援無党派ブロック 中道
ポーランドよく見たら政体中道だコイツ!!!!!!!

 「New World Order」実績の条件は「全世界の国がファシストであること」。世界のすべての国が枢軸国であろうと、政体がファシストでなければ実績は解除されないのです。
 さらに悪い事に、HoI4では一度同盟に入った味方国を同盟から追い出したり、クーデターを発生させたりするような事ができない様子。外交政策から実行できる政党支持工作を使用して、日に0.02%とか増えるファシスト支持率が上がっていくのを眺めることしか出来ません。
 その支持率にしても、50%を超えても一向に中道から変化する様子がなく、これは本当にファシストに変化してくれるのか?という状況。ここまで来てポーランドごときが原因で実績達成に失敗したらあの地獄のような南米塗り絵プレイは何だったのかという話になります。

 その後も内政干渉を仕掛けたまま放置。日に少しづつしか増えていかないファシスト支持率を祈るように眺め続けます。
 
ファッ!?
そしてゲーム内時間で25ヶ月、ポーランド国内のファシスト支持率が70%を超えた頃、唐突にポーランド国内が2つに別れ、内戦が始まりました。まさか内戦になるとは思っていませんでしたが、クーデター側(?)のファランガ・ポーランドは政体ファシスト。ファランガ・ポーランドが勝利してくれれば結果的に世界中全ての国がファシストという条件は達成されます。



 とにかく全力でファランガ・ポーランドを支援しようとドイツ製の最新鋭兵器をレンドリースでガンガン送り込みます。E-75とかホルテンとかドイツの最新兵器がファランガ側で使われているのは強烈な政治的メッセージになりそう。
 しかしルーマニアやウクライナなど、ポーランド周辺の枢軸国はこぞって正当ポーランド側に立ちポーランド内戦に参戦。これによりファランガ・ポーランドは圧倒的劣勢に追い込まれ、奮戦虚しく正当ポーランドに敗北、消滅してしまいました。

 絶望感を味わいつつ、統一されたポーランドに対して再び政党支持工作を開始。もう一回クーデターがあれば今度は正当ポーランド側に立って参戦、回りの国の指揮権を全部奪って戦わないようにして無理矢理負かしてやろうかなどと(この手は内戦中に思いつかなかった)思いつつ、またゲーム内時間で2年が経過……
 この時完全にHoI4は放置した状態でFGOなど遊んでいたのですが、視界の端、モニタの左下あたりでSteamの何かがポップアップ。それはまさに「New World Order」実績獲得の表示でした。

50%ごときでファシストになりやがった
1953年、世界はファシストの炎につつまれた!
細かい理屈は謎ですが、1回クーデターした後は50%超えたらもう政体変わるとかなんかそういうのがあるんでしょうか。釈然としない物を感じつつも、これによって世界は全てファシストで埋まりました。
 
 何にせよ、これで当初の目的は達成。もはや今のドイツには倒すべき相手も、研究可能な技術も無く、もはやこのデータで出来る遊びは何一つ残っていません。実質的なゲームエンドと言って良いでしょう。


 実際HoI4初プレイでここまでやってみた感想としては、何と言っても「塗り絵めんどくせえな!」の一言に尽きます。HoI2でも同じこと言ってた。
 ソ連とアメリカを潰すまでは良かったですが、それ以降のプレイ時間はは殆ど開戦理由の正当化や政党支持工作、低インフラのド田舎を進む軍隊の移動などの待ち時間に費やされました。正直もう世界征服プレイはやりたくないし、HoIは面白いところまでやって適当にプレイを終えるのが一番ダレなくて良いなという思いを新たにしました……少なくともポーランドに関してはこんな面倒なことやらずに同盟追い出し→侵略の手が取れたら楽だったのに……(プレチくさいにしても)

 それと、HoI2と比べて終盤の技術やイベントなどが非常に薄く、特に技術はほとんど45年止まりになっているため、そういった面でのやりがいみたいなものは少ないなと感じます。各種兵器の51年型もなし、空母艦載機やCAS機や対艦攻撃機のジェット化もなし、航空騎兵もなし、核動力の軍艦もなし、ミサイル関連もなしと、幾らバニラとは言ってもこれはかなり残念に感じます。
 このあたりはMODで解消できる問題なのかなとは思いますが、やはりMODはあくまでもMODですし、実績解除プレイで使用することも出来ません。公式でもう少し拡張が行われることを期待したいです。


 最後に苦情ばかり出てしまいましたが、それでも非常に楽しく素晴らしいゲーム体験でありました。HoI2とは少し毛色の違う、良くも悪くも近代的で整理されたゲームになったかな、という思いはありますが、この辺りの時代が好きな人間にとって最高かつ無二のゲームであることには変わりありません。
 作品全体から漂う拡張性に対する意識のようなものも好ましく、今後長きに渡ってMODや拡張がリリースされる作品となることも期待できます。

 なお残念なことに、まだ3月頃にはHoI4をガンガン遊んでいたものの、4月からは社会人になってしまったため時間や気力の問題で殆ど触れていません。そのうち余裕が出てくればまた英国とかフランスとか連合国でのプレイも試してみたいとは思っていますし、MODなどもいろいろ見て回ったりはしていますが。

 しかし今回このプレイ記事を書くのにものすごい時間と気力を消費してしまったので、今回のようにHoIシリーズのプレイ記録形式のブログ記事を書くことはもうないでしょう。HoIシリーズAAR作者の人々ってみんな凄かったんだなぁと痛感しつつ、今回の記事はこのへんで。