2016年12月29日木曜日

2016年に遊んだゲーム達を振り返る

 早いもので今年もあと数日。
 私にとって今年は就活やら卒論やらで慌ただしい一年だったものの、合間合間に遊んだゲーム達はどれも素晴らしいものでした。
 今年購入して遊んだゲームを列挙して、それぞれに感想を書いておこうという記事です。
 ちょうどSteamは冬セール真っ最中で、挙げたタイトルはほぼ全部PCゲーム・Steam配信中のタイトルのため、気になるものがあれば是非購入の参考にしてください。

(16/12/29 23:50追記 何のゲームが入ってるかリストを頭に書いておいた方が良いかなと何となく思ったので追加。記事内容自体は変わってないです)
DoorKickers
Hotline Miami
Crypt of the NecroDancer
Undertale
Wargame Franchise Pack/Wargame:Red Dragon
Tom Clancy's Rainbow Six : Siege
怒首領蜂大復活
Breach & Clear
Cities:Skylines
Fate/Grand Order


以下それぞれ「タイトル/購入時期/ジャンル」というフォーマット。

DoorKickers / 昨年12月末 / セミリアルタイムストラテジー

http://store.steampowered.com/app/248610/



 購入したのは去年だけど、実質遊んでいたのは今年なので2016年のゲーム枠に。
 半リアルタイム制のストラテジーで、特殊部隊を操作してテロリストの立てこもる建物などを制圧、証拠品を確保したりVIPを救出したりすることを目標とするゲーム。

 シミュレータ系のリアルなFPSをストラテジーにしたような雰囲気があり、特殊部隊アトモスフィアの濃厚なガジェットとシチュエーション(フラッシュバンをドアから投げ込んで複数の侵入口から一気に突入とか)やそこそこ豊富な装備カスタマイズ、ストーリー仕立てで進んでいくキャンペーンモードなど、雰囲気とボリュームは良好。ワークショップにも対応しているので、ユーザー製のミッションや追加装備などを導入することも可能。

 ゲームバランスも全体的には良好だけど、ゲームを進めるごとにやたら広いマップや複数の建物に分かれるようなマップが目につく。
 そう言うマップでは大体操作ユニット数が6とか8とかやたら多くなってしまうので操作量が過大になって楽しいと言うより面倒さが上回り、立てる作戦も大雑把になりがち、というのが正直な所。
 狭い建物を複雑化させて難易度を上げるようなバランス調整であれば好ましかったんだけど。

 とは言え全体的によく出来たSLGであることは間違いなく、少し古いゲームなのでSteamセールでの価格も安くなっている。現代特殊部隊モノとかが好きで、SLGが苦手では無い人には自信を持ってオススメできるタイトルだと思う。


Hotline Miami / 3月 / 見下ろし型2DACT

http://store.steampowered.com/app/219150/

 言わずと知れた(?)超有名インディーアクションゲーム。トリップ感のあるBGMとグワングワン揺れる画面、次々繰り出されるゴア表現にビビットな色使いと、とにかく強烈なゲーム体験だった。

 ゲームとしては見下ろし型のACTで敵も自分もほぼ1発即死の中、敵をどんな順番で倒して行くか、武器をどの順番でどう使うか、というような部分に頭を悩ませるのが楽しく、何度も試行しては死亡、そしてリトライして死亡、というようなサイクルを繰り返しているうちにBGMと画面効果のせいで段々と頭がキマってくる危ない感じは唯一無二の感覚。

 ただし個人的には世間で言われているほどこのゲームにハマりきれなかった所があり、とりあえず一周したら満足という感じでそれ以降あまり触っていない。
 傑作であることに疑いはないとは思うし、値段も安いので買って後悔とか損をしたとかそういうわけでも無いけれど、何となく合わなかった感が強い。


Crypt of the NecroDancer Collector's Edition / 5月 / 変則型ローグライクRPG

http://store.steampowered.com/app/247080/


 オッォアー オオオーアーオアオアオッアッアオーアー アアアーアー↓
 基本的なシステムとしてはオーソドックスなローグライクRPG(不思議のダンジョンシリーズみたいなやつ)。
 特徴は、BGMの「拍」に合わせて1ターンが経過するというシステム。これによりプレイヤーはその場に立ち止まってじっくり長考したりする事が許されず、BGMの拍と拍の合間に状況判断を行い次の一手を考え、アイテム使用や交換、敵の誘導や処理などの判断を行っていく事が求められる。

 特に面白いのが敵の行動ロジックや特性で、例えば2ターンに1回だけ動く敵であれば、どれだけ体力と攻撃力の高い危険な敵でも「敵が移動したターンに隣接マスに移動→隣接マスから攻撃(敵は1ターン停止)→隣接マスから移動、同時に敵の行動番が回ってきてこちらに向かってくる→隣から攻撃(敵は停止中)→移動」という事を繰り返すだけで勝利できる。
 これはほとんど全ての敵に言えることで、このゲームに登場する全ての敵キャラは「行動パターンさえ知っていれば初期装備のナイフ(射程1、攻撃力1)でノーダメージ撃破が可能」なよう、見事に設計されている。

 しかし実際のプレイでその通りに行くかと言えば別問題。リズム通りの操作に気を取られて操作ミス、避けた先で別の攻撃やトラップに接触、その他のミスが積み重なって的確に体力を削り取られ、どんどん劣勢に追い込まれていくことに……
 そういうわけで、クリアまでには敵の行動パターン把握は前提として、リズムに合わせて操作しながらも冷静さを失わない判断力、的確なアイテム取捨選択、リスク管理、そしてローグライクに特有の運の良さという要素が必要になってくる。
 このあたりの調整が非常に良く出来ているおかげで、自分が死んだとしても原因の9割は自分にあると納得でき、そしてその原因・改善すべき点も明白に理解できる、と言う点でとても優れたゲーム。

 完成された素晴らしいゲームシステム、良い感じのグラフィック、そしてBGMに「乗る」事を要求されるというシステム上、非常に大きな責任(?)が課せられているBGMも最高に素晴らしい出来と、まさに傑作と言っていい内容。今年一番「挑戦心を刺激される」ゲームだった。


Undertale / 6月/ RPG

http://store.steampowered.com/app/391540/

 (公式でスクショ機能はオフだしネタバレ考慮すると貼れるところも無いので、ストアページを見てください)

 "UNDERTALE! The RPG game where you don't have to destroy anyone."
 (デストロイ"できない"とは言ってない)

 ここ数年で一番感情を動かされたゲーム。このゲームに関しては何を書いてもネタバレという感じがするし、完走当時に感動のあまりSteamレビューを書き散らしたりしたのでそちらをご参照くださいって感じだ(語彙力低下中)
http://steamcommunity.com/profiles/76561198023139608/recommended/391540

 今年遊んだゲームの中でどれか1作、という話になると圧倒的にこれ。未プレイの人は早くアンテして(強要)
 動画で見ると楽しみが削がれるどころか、ゲーム内の非常に重要な要素を取りこぼすことになって何の意味もないので、プレイ動画で雰囲気を掴んでみようとかそういうことはやらずに、「これは!」となったら何も考えずに購入して遊んでほしいタイトル。


Wargame Franchise Pack / 7月/ RTS

http://store.steampowered.com/sub/45320/


 RedDragon(最新作)買うよりPack(3部作セット)を買ったほうが何故か安いのでPackで買った。RedDragonしか遊んでない(し、実質的にアッパーバージョンみたいなものなので旧作を遊ぶ必要性自体があまり無いっぽい)けど。

 WW2直後~90年台中盤あたりを舞台にしたRTS。生産・内政などの要素は簡略化しつつ、戦闘に関しては濃密そのもの。ゲームバランスとリアルさのバランスが非常に良く取れていてとても面白い。
 特筆すべきはやたら多彩で細かくマニアックな登場兵器たち。米英独仏ソ東独中国というような大国はもちろんのこと、日本の自衛隊や韓国軍、チェコやポーランドなど東欧国家に北朝鮮(!)など使用可能勢力は多種多様で、DLCではイスラエルやフィンランド、ユーゴスラビアといった更なるマニアック勢力が追加されている。それぞれの国の個別の兵器ラインナップも充実。

 個人的に好きな冷戦期フランスのAMX-10とかAMX-13など渋い車輌が居たかと思えば、T-72系はソ連だけでもバリエーションが7種、ソ連以外の勢力のものも含めると更に多量になっている有様。それらのユニットが現実的に使えるかどうかは別として、非常に多種多様な兵器達を使用することが出来るというのは面白いポイント。
 このあたり、私のように自分の好きな兵器が戦っている姿を見ているだけでも楽しめるようなにわかミリオタ系の人種には最高のゲーム。

 とはいえゲームとしては非常に敷居が高い(そもそもRTSというジャンル自体がヤバい)もので、マルチに入ってみれば初心者部屋を名乗っている場所でも盛大に負ける始末。
 AoEやSCあたりの有名RTSと比べれば内政要素やアビリティ使用などが無い分相対的に操作量はマシだと言われていたりもするけど、私のようなドンクサ人間にはこの内容でも十分キャパオーバー……
 AIはAIでやたら資源関連の補正が入っていたり、的確に防衛網の弱い所を突いてきたりと嫌らしい出来。資源補正が入ってるせいでやたら豪華なラインナップで攻めてくるし、その割に頭は悪いので対人の練習にはさっぱりならないという残念感。

 しかし敷居の高さと言う点を抜きにしても、(ミリオタ補正を込みにして)今年遊んだ中で最高のストラテジー。DLCの配信やバランス調整も定期的に行われており、今後の発展にも期待が持てるところも良い所。
 プレイヤー人口が増えればもう少し試合においても程よい相手と遊べるようになるのではないかという気もするけど、まぁRTSジャンル自体の日陰感に、ゲーム自体のガチガチミリオタ向けで人を選ぶ内容が合わさると難しそう……


Tom Clancy's Rainbow Six:Siege(Starter Edition) / 9月 / FPS

http://store.steampowered.com/app/359550/
(せっかくなので動画)
 マルチプレイ中心の競技的(としか表現しようがない)FPS。レインボーシックスシリーズは元々、リアル系で味方NPCを指揮したりしつつ戦うような戦略性が問われるシングル系のFPS。実際開発も途中までシングル向けを前提として進んでいたっぽい節があるものの、紆余曲折を経て実質マルチプレイ前提ゲームとして、去年の12月頭に発売された。
 当時旧来のR6/TC'sファンはあまり期待していなかったように思うし、UBI開発でしかも開発がグダグダ、発売のタイミングも前後で自社・他者の有力タイトルとぶつかり……というような具合で期待度的には微妙なものがあったように記憶している。

 しかし実際に遊んでみると、ハードコアでありつつもかなり良く調整されたバランスや一部除いて良好なマップ、個性豊かでそれぞれカウンター/シナジー関係のあるオペレーターなど、マルチプレイFPSとしては出色の出来。
 実際じわりじわりと人気が出て、当初は大規模アップデートのリリースも1年で打ち止めの予定だったはずが2年目以降も継続していくことが宣言され、ユーザー数も横ばい~右肩上がりが継続中。
 発売から1年経って勢いが増している、稀有なゲームの一つ。実際、滅茶苦茶面白い。
 これほど駆け引きが熱い対戦ゲームはそうそう多くあるものではなく、ルール的な一人あたりの役割と責任の重さもあり、一般的なFPSのマルチと比較すると1秒あたりの濃密度が段違い。その分とても緊張するし疲れもするが、それだけに代えがたい面白さがある。

 スターターエディションというのを時々2000円ぐらいで売ってるが、基本的に死ぬほど時間がある人でないと(特に走り出しが)キツく、控えめに言ってもスターター向きでない仕様になっているので、余裕があればセール時に通常版を買ったほうが良いと思う。


怒首領蜂大復活 / 10月 / STG

http://store.steampowered.com/app/464450/

 ここ数年、同人・企業問わず、日本のSTG界隈の中でSteam進出の機運が高まっている印象があり、その中でもCaveの存在感は群を抜くもの。
 大復活は(システムを理解していれば)程よい難易度で遊びやすく、稼ぎに挑戦したり2周を目指してみたりと遊びこむ余地があって楽しめる、縦弾幕STGにおける説明不要の傑作なので、STG初心者にも比較的薦めやすい作品。

 今回は白復活・黒復活とそのアレンジが最初から同梱されているというお買い得感、サントラがDLC扱いで手軽に買えるというありがたみ(Caveのサントラの売り方は昔けっこう酷かった覚えが……)など、商品としてもとても良い感じ。この調子で積極的にSteam展開を続けていってほしいところ。
 そしていつの日かマイルストーンシューティングのマトモな移植とサントラがSteamで買える時代が到来してほしい……(永遠に来ないのでは)



Breach & Clear / 11月 / ターン制ストラテジー

http://store.steampowered.com/app/266130/

 最初に紹介したDoorKickersにゲームとしてはかなり近く、ターンベースにしつつカジュアルに調整したような感じのゲーム。とは言えどちらかがどちらかをリスペクトしたとかいう訳では無いっぽい。
 また、元々はiOS向けのゲームだったらしく、ゲームの規模感と言うか全体的な雰囲気もそんな感じ。

 全ユニットの次ターンの行動計画を入力、ターン中は計画通りに敵味方が同時に動く、というシステムで、行動計画入力のシステムが割と大雑把なため「特定の遮蔽物に入ったらそこから見える敵を攻撃、クリアになったら次の遮蔽物へ」とか「味方の到着を待ってタイミングを合わせて部屋に突入」というような指示が出せない。
 そうした融通の効かなさの結果、「ドアの前で無駄に往復運動することで時間を消費してから突入することで、味方が投げ込んだグレネードが爆発するのと突入タイミングを合わせる」とかマヌケな絵面が展開されるのが何だかなぁと言う印象。

 とは言え隊員ごとに違うアビリティを持っていてうまく使い分ける必要があったり、ゲーム自体が3Dベースゆえの遮蔽物カバー要素(XCOM:EUリスペクトっぽい)や隊員の外見カスタマイズなど、独特の個性もあって全体的には佳作から秀作と言ったところ。値段分は楽しめた。


Cities:Skylines / 11月 / 街づくりシミュレーション

http://store.steampowered.com/app/255710/

 ヤバイ級時間泥棒。君だけの最強の街を作ろう!
 シムシティシリーズが新作で盛大にずっこけたあとに真打ち的なタイミングで発売されたタイトルで、シムシティファンに熱狂的に受け入れられたりしていた。

 シミュレーションゲームとしての難易度はかなり低い方で、ある程度基本的なポイントを抑えておけば、資金不足で街の運営が立ち行かなくなったりという状況に出くわすことはほとんどない。
 では何がすごいのかと言えば、遊んでる間に短期目標が次々と提示されるので、飽きる暇が無い、ということに尽きる。
 街を作って家を建てれば商業区画の需要が生まれ、商業施設が満足すれば次は工業・企業施設の需要が生まれ、そうして拡張している間に電力が足りなくなれば発電施設を建て……という具合で街を回していると、次第に需要に対して街のスペースが足りなくなる。すると次の街を作るための用地になる場所にメドを建て、既存の街と接続する交通網を考え、実際に建設し……という具合で、短期的な目標を追いかけている間にどこまでも街が拡張していく。遊んでいる間に区切りを着ける暇がなく、「あと1ターン」ならぬ「あと1区画」という具合でどんどん時間が吸われていく。

 交通網シミュレートが結構リアルなのも面白いところで、市民がバスと地下鉄の乗り換えを上手くやってくれたり、地下鉄の環状線が強烈な効果を発揮したりとか試行錯誤する余地があり、これもまた時間泥棒な要素。
 その他、Steamワークショップ対応で各種改善MODや施設などの追加が可能。総合して時間泥棒要素が満載の大傑作。シミュレーションゲーム的な面白さというよりはサンドボックス系の面白さなので、そっち系のタイトルが好きな人は是非。


Fate/Grand Order / 去年末あたり / スマホRPGに見せかけたノベルゲーム(?)

最終章の仕掛けとかを見ちゃうと、このゲームを「2016年に遊んだゲーム」として挙げなかったら嘘だよなぁという感じになったので一応書いておく。スターターにとって死ぬほど厳しいゲームだけど、5章以降はホント掛け値なしに素晴らしい内容だから皆遊んでくれよな……!

 最終章の感想はそれ自体単体記事にできそうだし、ネタバレ的にももう少しほとぼりが冷めた頃、来月あたりにネタバレ込みの感想でも書こうかなと思っているところ。
 FGOが来年どういう展開をしていくのか本当に楽しみ。

総評と感想

 だいたいこんな所か。多分抜けもあるけど、抜けるのはその程度のゲームだったという事かもしれず(失礼)ブラウザとかスマッホで遊んだゲームは結構色々あって、それぞれ言いたいこともあったりする気がするけど、大体ゲームとしては長続きしなかったので省く(記事クソ長くなってるし)。
 総評として、こうして挙げていくと「軍事系のゲームめっちゃ多いな!」というのが最初の感想。次いで「ストラテジー多いな!」と言ったところか。

 ただ振り返ってみると就活や卒論のために「コントロールできなそうな」ゲームは買わないようにした節があるので(そう言う割にはR6SとCitiesは危ないタイトルだ)、思い出してみると、欲しいと思いながら買わなかったゲームも多かったなと思う。

 しかし何と言っても今年はUndertaleとFGOだった。どちらもSNSとか掲示板とかネットでの盛り上がりが印象的なゲームだったなぁという印象。それぞれスタンスはかなり違うゲームではあるんだけど、現代において「感想を語りたくなるゲーム」と言うのはそれだけで強いのかなぁと思いつつ、それはなんか「シン・ゴジラ」とかあのへんの評論でもよく聞いた感じのする話だなぁと考えたり。

 しかしやたら記事が長くなってしまったけど、これは新ブログ立ち上げたばっかでどのゲームにもまだ感想としてまとまった文章を書いていなかったので、それぞれにそれなりに細かめの感想を書こうとしてしまったのが原因。
 記事執筆自体に無駄な時間がかかった結果、卒論に使うつもりだった半日を完璧に潰してしまった(冗談じゃない)ので、来年以降この手の記事を書く時には、そもそもゲームを一通り遊んだ段階で感想記事を書くのを習慣づけて、年末の記事ではそれにリンク貼って一言二言みたいな感じにするとか、何かしらもうちょっとスマートにまとめたい。

 来年はいよいよ社会人なのでどれぐらいゲームに時間を使えるものか分からないが、来年も素晴らしいゲームとの出会いがある事を祈りつつ、2016年振り返り記事を締めとしたい。