2018年1月8日月曜日

ガルパン最終章1話を見た(ネタバレあり)

シネマシティはいいぞ(挨拶)

 年始早々の三連休ということで、流石にそろそろガルパン最終章を見るかと決心。
 (どのみち近所に上映館もないので)ガルパンは”聖地”立川の極爆をキメるとして、折角立川まで出るのにOVA尺の映画を一本だけというのもちょっと勿体無い。という事でもう一本、「キングスマン ゴールデン・サークル」を見てきました。

 結果から言えば、OVAの上映時間にソ連戦車の車内レイアウトの如く大量のネタを詰め込んだようなガルパン最終章に頭をぶん殴られ、それを処理しきるより早くキングスマンGCに(良くも悪くも)猛烈に脳をぶん殴られる形になり、この2本立てというのは失敗だったかという感じが漂っています。



 見るにしてももう少し間を開けるべきであった……いやどちらも楽しめたので、その点では良いんですが。
 ともあれ新年一発目の映画なので、薄れる前にしっかり感想を残しておきたいと思います。目指せ感想習慣化。
 いつものことながら感想書いてたら長くなったので、ガルパン記事とキングスマン記事は分けることにします。今回はガルパン。

 以下ネタバレありです。


ガルパン最終章第1話



歌詞がひどい

 上に書いたとおりキングスマンにぶん殴られたせいで感想が半分吹っ飛んでいるんですが、とにかく内容が詰まりに詰まっていてものすごい内容でした。あれで47分か……

 大洗に新キャラ5人+BC初登場3人を出し、その全員をきっちりキャラ付け出来ているのは驚異的。それだけでなく、大洗勢から継続に至るまで既存のキャラをあらかた登場させて出番を与えているのはお前OVAだぞ尺考えろ(いい笑顔で)という印象。
 まあ全員出たかというと大学勢と黒森峰、その他大人勢は流石に全員ではなかったと思いますが、まあ黒森峰に関しては最終章の中で確実に勝負する事になるので今は抑えるという感じかもわかりません。

序盤(というか学園艦パート)

生徒会の権限委譲は思ったよりもスムーズに行われ、教室とか勉強シーンとかはミリ秒単位も出てこない、キャラ描写と戦車描写に振り切ったいつものガルパン。
 今回の戦う動機は桃ちゃんのAO・推薦入試権の確保という事になりましたが、これまでの廃校云々と比べると(桃ちゃんが浪人しても良いというわけではないですが)かなりのトーンダウン。
 というかあんな醜聞が他校にまで広まっちゃう桃ちゃんの扱いさすがにひどすぎない?という引っかかりはありましたし、どうも「優勝済みの」大洗が戦い続ける動機としては他チームに比べて弱そうな感じがするんですが、まあどうなんですかね……BC戦終わったあたりでまた別の動機が出てきたりするのかなあ。

 そして今回初めて(?)明らかになった大洗学園艦の低層。治安悪すぎだろ!!!!高校生だぞ!!!!やはり大洗は廃校にすべきでは……
 Twitterでも書いたんですが、大洗であれだともっと学園艦のサイズがデカい校は本当にヤバそう。プラウダの低層とか謎の超常現象が発生してあちこちに放射能溜まりが存在しミュータントと武装したならず者が歩き回るZONEとか発生してるのでは……

 さらわれたそど子を冷泉殿がPOVで追いかけるパート(個人的にハードコア冷泉殿と呼称)は今回一番好きなシーンかも。いや「ハードコア」見てないんですけどね……

 (ハードコア冷泉殿)

 これまでのガルパンでは戦車の主観(というかオンボード)視点とか社長・砲手の主観視点は結構ありましたが、生身の主観であそこまで長尺で全力アクションをやるのは、ガルパンでは、というよりアニメ全体でも中々見ない試みという印象。いやあまりアニメの数見てないので偉そうなことは言えませんが……

 しかしああいうシーンが主観視点になっていると、観客側としても冷泉殿のガチ全力疾走・前傾っぷりを体験として理解できる所があり、感情移入度が高まって実に良かったですね。P虎探しに出た時とかあれだけビビってた冷泉殿があんこうチームで真っ先に反応して脇目も振らず全力疾走で追撃するあたり、やっぱりそど子は大事なんだよな……尊みの波動……温かいものが広がる……

 ところで普段物騒なFPSばかり遊んでいる身としては、ハシゴ登るところとか登った瞬間に蹴り落とされたり首締められたりするんじゃないか、曲がり角曲がったらいきなり殴られたりするんじゃないかと本気で心配しましたが、流石にガルパンはそこまでバイオレンスな作品ではなくて何より。一昔前に流行ったファミパンを食らう冷泉殿は居なかったんや。

 そしていきなり怪しい店。入る前にチェックポイントでオートセーブされるやつだこれ!(ゲーム脳)
 そして全員ミルク○○を注文するあんこうチーム。麻子ミルクセーキ好きすぎ問題というのもありますが、それ以上にコブラじゃねーか!

 バーカウンターでミルクを注文するやつ、脈々と受け継がれる伝統芸能みたいな感じがありますけど何が初出なんですかね……と思って調べたらちょうどクリティカルにその話をしているTogetterを発見。39年の西部劇?四号D型あたりとほぼ同年代とは……
 というかこれアメリカ映画なのに41年4月に日本で公開してるのすごいですね。ギリギリまで繋がりあったんだなあ……(大脱線)


推しのイラストがいらすとやに存在するものは幸福である


 サメさんチーム、軽率なオタクなのでカトラスが好きになる。フリントも妙に気取った振る舞いの割に意外とボロが出やすそうというか、今後掘り下げられると面白そうな感があって良いですね。

 そして西住殿の回避力の理由が「避けるのに慣れてる」なのはどうなのか。避けなければ当たるのか。
 TV版の序盤で言ってた「滅多に当たらない」は「(私の回避力なら)滅多に当たらない」というニュアンスだったんですかね。西住流の特訓メニューの中に砲弾回避術が存在する可能性……?

 あと飲み比べシーンは映像の割り方と台詞とグラスを叩きつける音のリズムが滅茶苦茶綺麗で良かった。グルーヴがある。
 ハードコア冷泉殿といい、劇場版ではアクロバティックな戦車戦をキメまくった分、今回は人間演技の所で色々冒険してきたような印象がありますね。すげえ良いことだと思います。

後半の戦車戦とか

 秋山殿、EP8と公開時期被るタイミングでルーカスに喧嘩を売るのはやめろ!!!そいつは今はディズニーだぞ!!!

 秋山殿の偵察にしてはほとんど戦車に目が向かなかったのは見ていておや?と思いましたが、特にそれが問題となることもなく。
 しかし今回の目玉感のあるARL44はあまりにもスッと(しかも大量に)出てきて、その割に特に大洗側が驚いたような描写もなかったので、BCにあの車両があるのは周知の事実だったんですかね。
 何にせよ、ARL44とポルシェティーガーの砲戦がアニメで見られる時代すごい。いやそもそもがアニメとかでないと実現しない対決ではありますが……

 とはいえ戦車戦については途中で終わったこともあり、お互いに大破車両もなく、ちょっと物足りない感じ。
 いやB1bisとかヘッツァーの外見るやつ(名前が分からない)の描写がマニアックだなあとか、だだっ広い畑に農道が走って所々に並木が生えてて、ボカージュがあったり街の作りとかがあまりにもフランス北部だなとかはありましたが、戦車を使った思いもよらないアクション!という感じの戦車戦については次に期待という感じかなぁと。

 撃たれまくってるMarkⅣから飛び出して旗振るやつ普通に危ないからやめなさい。ああいうの下手すると人間の盾みたいなこともできちゃいそうだけどどうなんすかね。悪質だったら審判から注意とかがあるのかなあ……

 あとまあなんですかね。押田と安藤はそりゃ流行るなという感じ。
 というかTwitterの二次創作とか見てて本気で仲悪いもんだと思って劇場に行ったんですが、実際見てみると(周囲の人間はどうあれ)本人間は割と和解してる感があり、あの二次創作群も高度な情報戦だったんですかね……あるいはおれが何かを見逃していただけで本当は仲悪いのか……?何もわからない……


ガルパンユニバース……未来へ……

最終章はOVA全6話予定と見た記憶があるんですが、100%ガンダムUCのOVAと同じ流れになりますよねこれ……(OVA全6話の予定でスタート、1話60分だったが原作小説収まらず7話構成に、しかも7話は90分)

 西住みほが初めて見つけた戦車道のありかた、そして友達、女子高生としての生活。それらが詰まった大洗女子という自分の居場所を守るための戦いであった本編・劇場版と比べると、現状の西住殿、そして大洗の主人公としての動機は如何せん弱い感じがあります。
 むしろ今登場済みのキャラクターの中で最も高い主人公エネルギー(?)を持っているのは(自分は逸見ファンなので贔屓目に見ているところはあるけど、それを抜きにしても)圧倒的に逸見エリカだと思うんですよね。

 ものすごいマイペースで姉妹間の問題を姉妹間で勝手に解決し、他チームの隊長を尻目にドイツへ去っていってしまった前隊長まほの助力無しで、2年連続で優勝を逃した落ち目の強豪校、黒森峰を単独で率いなければならない(しかも「西住流家元」としての正当性も持たない)逸見の責任重大さ。


 黒森峰戦車道チームの立て直しだけでなく、みほとの個人的問題も解決せねば……という部分は勝手なファンの妄想の可能性はありますが(西住殿、エリカに対してほぼ無反応だし眼中にすらない可能性ある……)、何であれ登場キャラの中で現状最もシリアスな立場に置かれているのは彼女。
その環境の中で逸見自身の戦車道を見出していって欲しいし、そうなれば実質逸見がもう一人のガルパンの主人公なんだよな……(勝手な妄想)

 そういうわけで既存校の中でも黒森峰と大洗がもう一戦するのは(おれの脳内では)もはや確定事項。加えて言えば聖グロも気になるところ。あそこで意味ありげにローズヒップにカメラが向いたあたり、やはり次期隊長はローズヒップなんですかね。
 「優勝の味が知りたい……」みたいな台詞がありましたが、TV版・劇場版で2度も西住殿に土をつけた女であるところのダー様があの台詞を吐いたインパクトはやはり大きなものがありますし、これで聖グロと大洗の対決がなかったら流石に嘘でしょう。
 いやこれも完全にダー様ファンボーイ目線の妄想ではありますけど……(もう妄想しか書いてねえなここ)

 当然他の高校だってまた活躍シーンを見せて欲しいし、最終章の追加キャラ・追加校がBCだけだということもおそらくないはずで、そうなるとOVA尺6話分じゃもう絶対足りないでしょう……2時間枠の劇場版3本ぐらいつくってほしい(無茶)

ともあれ、最終章のあとのガルパンとしては概ね満足できる内容だったと思います。2時間尺でバシッと完結してやりきった感のある劇場版と比べると、どうしてもスッキリしなさというか食い足りない感がありますが、それでも驚異的な詰め込まれ具合。

 2話はいつやるのか不明(マジで不明)ですが、早いところBCとの決着を、そして次の展開を見たい所。アクタスと水島監督にはゆっくりでいいので頑張って頂きたい。あと監督変更とか制作スタジオ変更とかしょうもないトラブルが起きないことを祈りたい……

 とりあえず当日の感想としてはこんなところでしょう。今や使い古された感がありますが、やはり「ガルパンはいいぞ」、という言葉で記事を締めたいと思います。